第9回 愛知県河川整備計画流域委員会 議事要旨
<大田川・信濃川・日長川・神戸川流域 @、堀川圏域 @>
日時:
平成16年8月27日(金) 午後13時〜午後17時05分
場所:
愛知県産業貿易会館本館 5階 特別会議室


1. 開  会
2. 主催者挨拶
3. 議  題
  1)大田川・信濃川・日長川・神戸川流域河川整備計画(第1回)について
  ・地域に関する委員の紹介
・流域の現状と課題について
・住民アンケート結果について
・質疑応答
(1)計画の位置付けについて
  (委員意見)
  現在、工事実施基本計画に基づいて暫定的な整備を実施しているAグループの大田川と日長川と、一時的な整備は昭和40年代に終わっているBグループの信濃川と神戸川に分けて事務局から説明があったが、Bグループの河川は、工事実施基本計画とか全体計画を考えたのかどうか、当時の計画の内容はどのようなものか。また、Aグループの河川は流域の開発が昭和40年代に進んでいるが、その時点で一時改修がされなかったのはなぜか。
  (事務局回答)
  Bグループの信濃川・神戸川は、昭和40年代に参考資料に記載している当時の計画に基づき一時的な改修を実施し、その時点で改修完了という位置付けで、その後、河川の整備は行なっていないという状況である。工事実施基本計画または全体計画は作成していない。Aグループの大田川・日長川は、用地等の諸問題もあって河川改修がなかなか進まなかったために、昭和60年ごろから計画を見直して現状の工事実施基本計画に基づいて改修を進める結果となった。
  (委員意見)
  4河川を並べて基本方針と整備計画を考えることになれば、40年代の古い工実計画をきちっと工事実施基本計画として位置づけるか、新たにそれを改定するかという手続をしておかないと、最終目標が見えないということにはならないか。
  (事務局回答)
  信濃川と神戸川については、今の土地利用あるいは将来を予想した土地利用に応じて基本方針を策定し、その上で整備計画を位置づけて整備計画書としてまとめていきたい。
  (2)整備計画の目標安全度について
  (委員意見)
  日長川の計画目標規模の1/10確率規模と、その他の河川の1/5確率規模の差は、どのようになっているか。4河川一緒に並べて話をしたときに、経緯だけで整備計画が決まっているとの説明だけでは納得できにくい部分もあるので、説明を工夫したら良い。
  (事務局回答)
  日長川は、昭和49年災害をきっかけとして1/10確率規模を目標として改修が始まり、そのときの考え方で当時の災害のレベルに合わせるということもあったかもしれない。大田川についは、もともと1/5確率規模を目標として始めて今でも1/5確率規模である。改修目標規模の説明については、工夫して整理したい。
  (3)土地利用の変遷と将来想定について
  (委員意見)
  土地利用の変遷で信濃川と神戸川の森林が一時的に増えているのは何か原因があるか。また、都市化の進展が治水の上で一番課題だということであるが、将来の土地利用計画をどのように推計したのか。
  (事務局回答)
  土地利用面積は当時の都計図をもとに算定しているが、指摘の点については、関連意見としてアドバイスいただいた"耕作放棄によって水田だったところが、判読上そのまま森林扱いになっている可能性"も含めて調べさせてほしい。また、整備計画における将来の土地利用は、現在の市街化区域がすべて市街化されたという前提で、そこから出てくる水に対して安全に流れる川というのを整備計画の中で位置づけていきたいと考えている。
  (4)開発による影響と河川整備計画の考え方について
  (委員質問)
  洪水や高潮などの自然現象は、今から何年先にどういうことがあるか予測はできないけれども、土地利用はその変遷グラフから将来の状況を読み取っていくことができる。したがって、台風がいつどんな影響を与えるかは前もってわからないし、どこの堤(つつみ)の強度が不十分であったかは通り過ぎてから言えることだが、流域が市街化されて保水能力がだんだん無くなれば、平地の水の行き場が無くなり、被害が生じることはある程度予測できる。そういう予測を持って河川をどういうふうにしたらいいかの考えはあるか。
  (事務局回答)
  河川の計画は過去の降雨の実績等から確率降雨を算定して目標降雨を設定し、今後の土地利用、市街化の進展も踏まえて計画づくりをしていきたいと考えている。
  (この回答に対する委員長質問)
  将来の土地利用想定は、市街化区域は100%市街化され、市街化調整区域でも、現在市街化しているところは現状のままだと考えていいか。この将来土地利用のもとで計画目標の雨が降ったときに川にどれぐらい水が出てくるかという計算をしており、保水能力の低下を見込んで計算をしているということか。
  (事務局回答)
  その考えで計画を策定している。
  (委員質問)
  4つの河川流域の開発のあり方を見ると東海市と半田市の場合、農地をつぶして区画整理しているのに対して、知多市の2河川は、河川沿いの水田のところを残して丘陵部を宅地化している。そういう開発のあり方の違いが、河川に与える影響について、町が一つのポリシーを持っていたかということが重要なポイントとなるが、開発の違いが河川にどういう影響を与えるかということについて、フィードバックできる示唆が計画作りの中で得られるのか。市民にとって生活に身近な土地利用から、どのように河川流量を計算しているかが見えないので、もう少しわかるように説明していただきたい。
  (事務局回答)
  信濃川は、南側の開発は結構高いところにあって、東海豪雨でも浸水被害に遭わないようなところになっている。一方、神戸川の方は中下流部で、新しく開発したところは湛水して被害を受けている。また、日長川については、昔から上流部に市街地が形成されて、多分そういった被害が多いところだった。
  (委員意見)
  新しく開発されたところが丘陵部であると、そこは水がつかなかったけれども、新しく開発されたところが河川沿いの低い土地であったらそこは水がついた話があった。どっちがよかったかというと、低いところを開発して水がついたということが、ひょっとしたらいいのかもしれない。丘陵地を開発したということは、それだけ流出が早くなって、下流側に今まで住んできた人の危険度を増したということ。それに比べて土地が低いところを開発しておけば、新しく入ってきた人たちだけに水がついて、従来の土地の安全度はそのまま守れたということになる。その辺の開発から被害発生に至る過程の十分な説明ができるような整理の仕方になっていないということへの指摘があったと思う。
  (これに対する委員長意見)
  降雨から河川流量に変換して計算しているところについて、どういう考え方で、どういう計算をしているかをもう少し説明していただいた方がいい。例えば、田んぼが市街化するということは、一時的な貯留能力も変わるわけであり、河川にどういう影響を及ぼしているのかということもあると思う。
  (事務局回答)
  次回には、そのように説明できるようにしたい。
  (5)高潮と津波対策について
  (委員意見)
  高潮については、伊勢湾台風復興事業で整備済みであるとの説明であったが、伊勢湾台風レベルはどの程度の大きさなのか、現在どれくらいの安全度が確立されているのかを、降雨に対して1/10とか1/5と言うように、きちっと言う必要がある。また、高潮と津波は守り方が違うため、この地域は東南海地震とか東海地震の可能性もあり、地震後の津波のときの安全度についても、現況説明に入れておく必要があるのではないか。
  (事務局回答)
  今の高潮堤、高潮関係の樋門は、再び伊勢湾級の台風が来て高潮が発生しても災害を受けない高さで基本的にできている。ただ、建築後40年たったということで、堤体の強度という意味で、若干老朽化が進んでいる。地震については、知多半島のこの区域では、地盤から判断して今のところ液状化のおそれはほとんどない。津波については、想定される津波の高さが高潮堤防より下回っているので問題ないが、水門が速やかに閉じるかという問題がある。
  (委員長意見)
  高潮の場合の安全度評価や地盤沈下の問題、堤防施設の老朽化の問題は、伊勢湾の高潮に関する検討会の資料部分を示していただければ良いと思う。
  (4)利水の現状と課題について
  (委員意見)
  「利水の現状と課題について」では平成6年大渇水の最大19時間の時間断水というのは上水の状況であり、農業用水では2日通して4日断水などの灌漑方式をとっているので、農業用水、工業用水を含めた表現が良いと思う。
  また、利水の課題は主語がなく文章の意味が読み取れない。現状では不適正に利用されているので、適正な利用が課題というふうにも読み取れるので、説明いただきたい。
  (事務局回答)
  平成6年の大渇水時は、指摘のとおり、上水だけではなく工水や農水にも多大な被害が発生しているので、農水、工水の被害状況をもう少し書き加えたい。それから、課題の整理は、「今後も連携を進めながら適正な水利用を図っていきたい、河川管理者も含めて関係者と一体となってやっていく。」という趣旨であり、正確な表現に改めたい。
  (7)河川環境整備について
  (委員意見)
  「川は遊び場」のポスターにある、立派な川の岸辺に大きな石があって、その上で子供たちが遊んでいるようなところが、今回の四つの河川にはない。ドイツ、バイエルン水管理局発行の本「河川と小川」にあるように河川の緑が増えて、小動物がすめる川となったように、近い将来そんな環境づくりも考えた川をつくっていただけるとありがたい。アンケートにあるように小中学生の自然離れが進んでいるというのも、三面張りの川づくりが今のところはできてしまっているからと感じた。
  (委員関連意見)
  アンケートを見てがっかりしたのは、小中学生に川への関心がほとんどないことである。原因は、学校がまず安全ということを考え、川へは行かせるな、それから、池にも近づくなということが長年続いておったからだと思うし、先生も指導している建前上、川には行かない。今の川を見ると三面張りで階段がなく、子供が入ろうと思っても入れない。川の中へ入ることができるような堤(つつみ)にしていただきたい。小さいうちから川に関心があれば、アンケートの結果も変わってくる。
  (事務局回答)
  特に河川改修を進めていく区間について、自然観察しやすいよう勾配を緩めた形の堤防も考えていきたい。
  (8)アンケートについて
  (委員意見)
  アンケートの分析・集計の仕方について、総合学習で川に入るのは小学校3年生ぐらいと思うが、そういう子達がどう思っているかを細かく見る必要がある。総合学習を体験している子たちは、やっていない子に比べ、川に対するアンケート結果がすごく違うのだったら、総合学習の効果があるわけであり、アンケートの目的を生かせるような形で分析するということを考えるといい。
 
 
〈休 憩〉
 
  2)堀川圏域河川整備計画(第1回)について 
  ・地域に関する委員の紹介
・圏域の概況と課題について
・質疑応答
・現地視察について
  (1)治水対策の方法について
  @貯留型分水路
  (委員質問)
  河川のルートは、名城地区で大きく曲り、そこから下流の河積が狭く、降水量によっては溢れる場合もある。護岸は崩落し、はらみ出している状況であり、この区間の優先的な整備が望ましいと考えられる。この区間の治水対策をどう考えているのか。
  (事務局回答)
  この区間の護岸はかなり老朽化しているため、現在整備を進めている。また、この区間はかなり狭く、拡幅が困難な松重と城北橋間については貯留型分水路を計画している。
  (委員長意見)
  東山線より河床を下げられないため、分水路を新たに整備する計画となったものと言える。
  A矢田川への排水
  (委員質問)
  計画高水流量は、現在3ヶ所のポンプで行われている矢田川への排水を考慮したものか。
  堀川は、上流域の問題が大きいため、流域全体として柔軟に考えられないのか。例えば、ポンプを増強により矢田川への排水を増やすことも考えられないか。
  (事務局回答)
  計画高水には、三階橋ポンプ所と宮前ポンプ所が考慮されている。福徳ポンプ所については、現状は暫定の位置づけになっている。 ・ポンプの増強など矢田川への排水は、庄内川、土岐川の整備計画との連携をとりながら、今後十分に検討していきたい。
  庄内川では異常出水時の排水調整というルールもあるため、できるだけ堀川自流域で対応することを考えていかなければならない。
  (委員質問)
  猫ヶ洞池・千種台川や堀川の猿投橋の下流で矢田川に排水しているが、矢田川自体がもう天井川になっているという現状があり、堀川だけの流域では見ていけない部分もあると思う。
  (事務局回答)
  名古屋市の下水道は合流式であるため、通常の汚水は各処理場に流下をさせている。降雨時には、下水管の排水能力が低いため、矢田川に排出している。基本的には下水管を通して堀川へ自然排水の形で流している。
  (委員長意見)
  庄内川との接点であるポンプ所と導水については、庄内川の整備計画と十分連携をとりながら整合を図っていく問題である。
  B江 川
  (委員質問)
  江川は、本来名古屋城の北側の排水を行っていた。少なくとも大正から昭和のときは開渠で、普通の川であった。暗渠にして50〜60年後に、江川ぬきで堀川だけを議論することは疑問である。江川について何も手がうてないだろうか。もしうてるようなら治水対策を行うことにより、堀川の負担が減るのか、次回にでも教えてほしい。
  (2)整備計画と超過洪水対策について
  (委員質問)
  名古屋では、東海豪雨のような都市型水害が問題であるが、全体計画では考慮していない。全体計画の整備は整備計画でやり、東海豪雨のような出水については別途やるということでは、名古屋の守り方としては不十分であると思われる。計画規模を超えるような降雨のときの治水対策が必要になってくると思われるが、何か考えているのか。
  (上記に関連した委員長質問)
  全体計画は、委員会で議論しようとしている整備計画と考えていいのか、基本方針的な将来計画なのか。
  (事務局回答)
  名古屋市内では、少しでも貯めたらビルの地下室に入る場所もあり、内水を考えながら設定していかなければならない。現在、名古屋市では東海豪雨を受け緊急雨水整備計画において事業を進めている。また、堀川流域では、最近、たくさんの調整池を整備するなどの内水対策を行っている。  全体計画は、調整池等との関係を含め十分検討し、超過降雨対策の範囲を考えながら検討していきたい。しかし、堀川、新堀川の解析は今の段階では途上であり、今後回答したい。
  (委員質問)
  整備計画と緊急時の対策を別にするような、治水に対して二本立てのような議論が進められている。この委員会で検討をする治水は、何を対象にして考えればいいのか。
  (委員質問)
  資料あるいは説明の中で「名古屋駅がやられますよ」とあることに対して、具体的な対策は委員会でやるのか、また、名古屋市は何か考えているのか。
  (事務局回答)
  堀川の過去の計画では、下水道管理者でつくっている調整池が計画に取り込まれていないため、今後の治水計画には、取り込んでいきたい。
  名古屋駅についても、現在雨水調整機能を持った池をつくっている。堀川の北部地域の地形的特徴、開削当時は治水機能がなかった歴史的な状況も十分考えながら今後の治水計画をつくっていかなければならない。
  (委員意見)
  東海豪雨のような災害が来ることを想定して、施設を工夫してつくっていかなければならない。
  (委員意見)
  堀川は、その歴史から河川ではなく、治水とは全く脈絡なしにつくられている。よって、今日「流域」とか出てくる概念自体が本当はおかしいので、道路とか下水道の問題でこの内水氾濫の問題を考えていかなければならない。
  (委員意見)
  堀川では、結果的には木曽川の水を下水道から堀川に出している。それ以上の許容がないので、雨はどこへ流すかということを考える必要がある。
  (委員長意見)
  既存の施設、下水道の貯留施設、これの適切な運用というのも一つの大きな治水上の課題である。 ・ 堀川の治水の問題というのは、まちづくりの問題そのものであるという認識も必要である。
  名古屋市のヒートアイランド現象を解消していけば、これも一つの治水対策になるかもしれない。そのことから、堀川の治水についてはいろいろな問題を含んでいる
  ((3)都市における流出抑制について
  (委員質問)
  治水に関して、都市構造全体という視点を入れる必要があり、河川だけでなくその地表面全体を考えていくことが必要である。
  (委員質問)
  堀川全体の水の量と地下貯水槽で貯められている量は、比較するとどれくらいになるのか。また、新堀川の若宮大通調節池はどれぐらいの役割を果たしているのか。例えば東海豪雨のときの状況を教えていただきたい。
  (事務局回答)
  現在、名古屋市では、雨水流出抑制施策を行っている。道路の方の舗装については、歩道はすべて透水性舗装にする等を現在行っている。
  新堀川では、10万m3の若宮大通調節池、合流改善を兼ねた5箇所の雨水滞水池がある。平成12年の東海豪雨前ぐらいで、堀川で約3,000m3ぐらい、新堀川で17万m3の貯留でき、貯留型の分水路は29万7,000m3を計画している。緊急雨水整備計画ということで、現在、6万3,000m3ぐらいの調整池をつくっており、大体24〜25万m3の量はもう現在できている。  若宮大通調節池は、東海豪雨のときにはいっぱいになった。また、若宮大通調節池近辺は浸水した。
  (委員長質問)
  緊急雨水排水整備事業で今貯留管とか滞水池をつくっている。それが完成したらどの程度の貯留能力を持つのか、あるいは何ミリぐらいの雨に対応できるような状況になるのか、次回にでも紹介していただきたい。
  (委員意見)
  治水の対応方法は、都市の構造の中で余り水を流さないようにするというのが本来的にできれば一番いいと思う。河川管理者と下水道管理者だけでなく、都市全般を考えていくというのがバックグラウンドにある。
  (委員意見)
  名古屋台地からの水の流出を防ぐため、新設する大きな施設には、雨水貯留槽をつくることを名古屋市が定めていくことも考えられる。
  (4)下水道の合流改善対策について
  (委員質問)
  堀川の整備は、平成22年度までに右岸と左岸の雨水滞水池を計画しているが、本来左岸の方の順番でやるべきと思われる。滞水池、雨水の一時貯留池を設けて、貯留されたものを処理して排水するという対応を十分されていく計画になっているか。
  堀川の水の収支は、いろいろな下水処理水が流入をして、日量約30万m3である。これらは、合流式を分流式にすることによってどのぐらい変化があるのか。
  直接できなくても、雨水の分流式を考慮した水の収支の計算がされているのでは。
  (事務局回答)
  右左岸の2つの滞水池が清流ルネッサンスUで謳われている。大曽根雨水調節池を含めた3箇所は、合流改善等の機能も持ちながらつくっている。
  堀川の水の収支に示す流水量は、雨が降っていないときの値であり、滞水池の量は、初期降雨の受入れと浸水対策としての量であり、雨が降っていないときと比較するのは難しい。
  合流式改善によってBODの改善をするという整理はされているが、浸水対策としての滞水池は、下水道整備の計算の中に含まれている。
     
5. 閉  会
(了)